世田谷ベースの所さんといえば、車やバイクだけでなく、古き良きアンティークや骨董品にも深い造詣を持つことで知られています。今回は、なんと「190年前の刀(日本刀・美術刀)」の鞘(さや)やパーツを、お馴染みのプラモデル用工具「タミヤのパテ」を使って補修する驚きの動画が公開されました。
歴史的な価値がある美術品に、現代のホビー用パテを盛ってしまう……。一見すると驚きのライフハックですが、そこには所さんならではの「モノとの付き合い方」の哲学が詰まっていました。
190年前の「刀」にまさかのタミヤのパテ!?
動画の主役は、約190年前に作られたとされる立派な刀。しかし、経年劣化によって鞘のキズや、パーツの噛み合わせが緩んでガタつきが気になっていたようです。
そこで所さんが取り出したのが、モデラー御用達の「タミヤのパテ」。 普通なら専門の職人にレストアを依頼するか、あるいは価値が下がるのを恐れてそのままにしておきそうなものですが、所さんは躊躇なくパテを盛り、ヘラで形を整えていきます。
「これ、190年前の刀なんだよ? それをさ、タミヤのパテで直しちゃうっていうのがいいじゃない。職人さんに出してピカピカに直してもらうのもいいんだけど、それだと『ただの綺麗な新しいモノ』になっちゃう。自分でやんないと面白くないのよ」
そう語りながら、手際よくパテをヤスリで削り、色を合わせていく所さん。その迷いのない手つきからは、道具に対する深い信頼と、DIYへの慣れが伺えます。
完璧に直さない、それが世田谷ベース流の「粋」
いざ作業が始まると、動画は所さんが黙々とヤスリをかけ、微調整を繰り返すリアルな「休日の時間」へと突入します。


「あれ、ちょっと削りすぎたかな」「いや、このくらいがちょうどいい」
独り言を呟きながら、刀のパーツがピタッと収まる瞬間を模索する姿は、まるでプラモデルに熱中する少年のよう。 ここで所さんが強調するのは、「完璧に直しすぎないこと」。傷をすべて消し去って新品同様にするのではなく、190年の歴史が刻んだヤレ感や風合いを残しつつ、実用としての不具合(ガタつき)だけを解消していくのが所さん流のこだわりです。
「ほら、ここがピタッとハマると気持ちいいでしょ? キズとか汚れなんてそのままでいいの。歴史なんだから。ただ、ガタガタしてんのは格好悪い。だから、そこだけちょっと手伝ってあげるわけ」
効率や資産価値だけを考えれば、プロに任せるのが正解かもしれません。しかし、自分の手で触り、悩みながら、そのモノが持つ歴史と対話する「遠回りな時間」こそが、世田谷ベース流の遊びの本質なのです。
重要なのは、モノが醸し出す「佇まい」
無事に補修を終え、刀を鞘に収めたときの「カチッ」という心地よい音。所さんの表情にも、満足げな笑みが浮かびます。



今回の動画を通じて、所さんが繰り返し語っていたのが「モノの佇まい(たたずまい)」という言葉です。 いくら高価な骨董品であっても、箱に仕舞いっぱなしで触ることもできなければ、それはただの「記号」になってしまう。少し手を加えて、自分の生活に馴染む「いい佇まい」に仕上げてあげることで、モノは初めて本当の価値を持つ、という教えです。
「みんなさ、価値がどうとか、傷つけちゃいけないとか気にしすぎ。モノっていうのはね、そこにあるときの『佇まい』が大事なの。自分が気に入って、自分の周りにちょうどいい空気感でいてくれるのが一番贅沢なんだから」
タミヤのパテで補修された190年前の刀は、新品よりもどこか温かみがあり、世田谷ベースの空間に見事に調和する「佇まい」を手に入れました。
自分の手で直す、その愛着
今回の刀の補修は、単なる修理の枠を超えた、モノへの最高の愛情表現でした。
「古いから、壊れているから」と諦めて買い替えたり、クローゼットの奥に眠らせたりするのではなく、現代の知恵(ときにはタミヤのパテ!)を使って、自分のできる範囲で手を加えてみる。そのプロセスを経ることで、そのモノへの愛着はさらに何倍にも深まります。
「めんどくさいなーって思いながらやるのが楽しいの。自分の手で直すとさ、急に愛おしくなるでしょ? それがモノを所有するってことの本当の面白さだと思うんだよね」
皆さんも、部屋の片隅にあるお気に入りのアイテムや、少しガタがきている愛着のあるモノを、自分の手で「いい佇まい」にリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?
(編集・文:ケンボー)
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