バイク

カブの魅力は何ですか? 『所さんとスーパーカブ』 ロングインタビュー その5

激しい盛り上がりを見せているスーパーカブ。
世田谷ベースにありそうで無かったスーパーカブに、今所さんが惹かれている理由とは?
スーパーカブをどうやって遊ぶのが面白いのか? 今後所さんはどんなカブ遊びを考えているのか? 世田谷ベースにて、所さんに今の思いを聞いてみました。
その4からの続き)

スーパーカブ70の完成度
所さん的な評価は?

所さん

 驚きの完成度ですよ。俺が思う以上だったもの。思った以上。だって車高下げるなんて思ってもみなかったから。トランポで持って行く時に、縛りつけたら車高下がったんだよ。「あっ、この車高!」って言っただけだから。その出来上がりがあんなになるとは思わなかったからね。車輌がきたはじめの数日は、あのでっかい荷台のまんまで遊んでたんだけど、これでいいよなんて。ノーマルみたいのがばかばかしいよ! なんて。でもなんか、パーツが届いてきたら、やっぱ付けるかなぁなんて言って付けたら、あんなになっちゃったから。あれは思いの外の仕上がり。でもね、あれだよ。はじめからの計画で、あの形にしようと思ったら、ポンポンッって完成しちゃうと、面白みが少ないままで終わっちゃう。はじめに狭山から来た時点で「走るんじゃん!」っていう衝撃があるじゃない。この70ccのカブ、6万円の割に綺麗じゃんっていう。そんで、このままでも構わねぇやっていう気に1回なってるわけだよ、よく走るし。でも、このウィンカーがでかいのが馬鹿みたいで面白いじゃん、なんて。でも、ちょっと変えたいなぁと。レッグシールドをハサミで切ってみるかなぁなんて。で、切ったら「ホンダってのが憎たらしいから、フォードにすっか?」とか、どんどん、盛り上がっていったの。その場その場で、すごい気に入ってたんだよ、俺は。バックを横にぶら下げてみたりとか。はじめから昔のバイクのシルエットを求めていたらそんなことやらないじゃない。どうせ、換えちゃうんだから。でも来た時点で、そんな計画ないし。こうやったら面白いのかなってその場その場で面白がってるんだよね。それがさ、完成形をはじめから求めちゃうと、途中の遊びが気薄になるもんね。やんなくていいやってなっちゃうじゃん。どうせ最終的にはこうするんだっていう目的があると、そこで遊べなくなっちゃうじゃん。まあたまたま、届くのが遅かったっていうのもあるんだけど、古いカブのパーツがね。だから、今のところはこれで遊ぶぞ、俺はっていう。これで一回目黒行こうっていうね。そうすると、レッグシールドを切った時点で、かっこいいねぇって、俺の中では相当古くなったと思ったんだよ。あの角とっただけで、古い感じに見えるねぇとか。フォードがついただけで、嬉しいねぇ、これはフォードだな、なんてね。前のフォークのカバー外して、あそこの自転車用のエンブレムを貼っただけで、古くなっちゃったよ、なんて。あれだけでニコニコしてたよ。

 あと、でっかいカゴついてたから、よくねえなコレって取っちゃって。バーだけ残ってたから、ちっちゃなカゴねえのかなって。それでお皿洗うカゴがあったから。これ付けよう、なんて。ボルトで付けようと思ったけどどうせ外すから、タイラップにしておこうとかさ。そしたらタイラップがかっこいいって思って。しっかりつけているんだけど、「やっつけてるな」って感じがいいんだよね。純正じゃない感じ、ありものでやった感。タイラップで縛ってあるなんて、純正では考えられないじゃん。ホンダが純正で出すわけないじゃん。タイラップで縛ってあるなんて。そこが素人っぽくて面白いとこなんだよ。何でもかんでも完璧にやるもんじゃない。プロがやったら、そういう仕上げはしませんよっていうところが面白いとこだから。その割には、タイラップをシンメトリーにこっちに縛ったからこっちにもとか、凸凹の凸が下にあるんだから、こっち側も下にしなきゃとか。デタラメに縛ってあるわけじゃないんだよ、あれは。そういうとこが面白いんだよね、この人は(笑)。その遊びをそこで堪能したんで、パーツが届いた時にはもう次へ進む。ここまでやったんだから、このまま生かしたいとかそういうのはないの。「はいはいはい、いりませんよ、もう」っていうね。さぁ、パーツも揃ったことだし、古ったいものを作りましょうってなる。
 まあ、カスタムする時っていうのはそんなんだよね。そういうのが面白いんだよね。はじめっから、この色にしたい、こういう改造したい、このスカートつけたいってやるんじゃなくて、車高だけ落として、ああこれでもいいのかなってところで一回遊び、スカートが付いた時点で、あぁ、やっぱり完成度が高いなって遊び、スカートが付いちゃったからフェンダーもつけてトレッドも広げようかな? とかっていう順番が面白いわけで。

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