動かない脚を動くように! 脚廻りワンオフ大作戦

『トコロ板金』の工場長は複雑であればあるほどに、難解であればあるほどに、やる気が出てしまうと言う性格。コチラは何と、不可能を可能にしたという、超絶ディテールを持っているということなのですが、一体それは??

これはですね、凄いんですよ。相当良く考えられてるシリーズです。

うぁ、またカッコイイですね、このカマロも。

これはサスペンションの作りが良いんですよ。ちなみに横にあるレーシングカラーのカマロ、コレが元です。

全く同じモノですか?

そーですよ。どれだけスゴイ作業をしているか、説明するのに、元も必要かなぁと(笑)。

佇まいが全然違いますね。オレンジのはオモチャオモチャしちゃってますもんね。

そーなんですよ。しかもね、これ上から押してみると分かるんだけど、元々はノーサスなのよ。全く動かない安いオモチャ。

もしかしてそれを!!

白い方は、ほら。ちゃんと脚廻りがストロークするんですねぇ。

うぁっ、本当だ!!

元々固着してるアシをですね、まず全部バラすでしょ? で、リアの板バネの後ろ側、その部分がストロークするようにシャフトを入れて、上下に動くように仕立ててあるわけなんです。

うぁ、もともと接着してあった板バネの付け根に軸を付けて、ボディ側に軸受けを作って、ストロークするようになっているわけですね。

スゴイだろ? で、バネをデフの脇に付けてって、もう大改造ですよ。

元々動かないモノを動かすって、相当ですよね。

でも、それだけだと、車高調整が難しいと。

バネのレートで何とかするって事なんですか?

と思うでしょ? でも、このクルマはそんなんじゃ無くて、リアデフの所に仕込んだバネの受け側に加工をするんですよ。シャシー側にも穴を開けて、室内側からデフ側の軸にタッピングビスねじ込んでいくんです。

つまり、ネジ込んでいくとデフがシャシーに近くなり車高が下がり、緩めていくと上がるということですか?

スゴイだろ? だから、こんなに美しい車高になっているという訳なんですね。

元と比べると、フロントは車高が下がり、リアは車高が上がってますよね?

前が3〜4ミリ落ちて、リアが2〜3ミリ上がってますね。そうじゃなきゃかっこ悪いでしょ?

確かに。

このカマロは脚廻りに相当時間掛けてますよ。

半端じゃないですね。

あとね、塗るのが大変。どんなに塗っても元のカラーリングが出てきちゃうんですよ。だから、この1台を白くするだけなのに、エアブラシの容器1瓶分塗りましたからね。

普通だと、どのくらいの量で塗れちゃうんですか?

そうねぇ、瓶の1/3くらい塗料が入ってればクルマ一台塗れちゃいますよ。

3倍ですか。相当時間掛かりますね。

丸二日かかってますね(笑)。まぁ、剥離して塗れば良いんでしょうけど、めんどくさいからさ(笑)。

ホイールとか、グリルは汚し入れてますよね?

そう。メッキメッキしてるとオモチャっぽいから、その辺りは汚してやると雰囲気良くなるんですねぇ。

実車感ありますね。

あっ、ちなみに、来週あと20台くらいアメリカから届きますからね。凄いことになってきましたよ、トコロ板金。でもね、この作業はホントに楽しいんですよ。まぁ当分止められませんね(笑)。