クルマ

東海岸からやってきた 所さんのホットロッド その3

V8エンジンの楽しさとは?

キャビンは錆の上にクリアを吹いた、ラット仕上げ。ルーフはチョップされ、サイドウインドーはアクリル製の着脱式。リアフェンダーは取り外され、ベットのみFORD F1。あおりに埋め込まれているテールレンズは、サンダーバード!!
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所さん
その後、これはエンジンがつまんないなぁってなって。もうインジェクションはイヤだと。どうしてもアイドリングのときにブォーっていうさ。V8独特の、デュボボボ…ズドドッ、ズドッ、ズドドッっていう、止まるか止まらないかっていうのを足で誤魔化しながらとかないじゃん、インジェクションは。苦じゃないんだよね。足でスロットルを調整しながらアイドリングしているっていうのは苦じゃないの。一番楽しいところかもしれない、V8の。ウチのコルベットとかトランザムとかの全部のクルマの一番面白いところはソコかも知れない。朝、エンジンのオートチョークもないし。そのチョークもないところに、ガソリンこのくらい濃い感じで入ったよなぁのイメージを足でカンカンカンカンッと。セル回す、シュシュシュシュッーと掛かった時に、「濃いガソリンにしたい、濃いガソリンにしたい」って気持ちでスロットルペダルをつなげていく、それでボォオオオって高回転にしておいて、温まったら下がってくる。でもパッと離しちゃうとポンッと止まっちゃうんで、止まらないように徐々に、安定させていく……、それが面白いんだよ! それがないからさ、インジェクションは。エンジン掛けて、馬鹿みたいにぶぉーんと回転高め。で、ドォーと安定してる。つまんない。ハーレーみたいに、ああっあっ、止まるの?ストールしちゃうんじゃないの?ストールしないの?えっ、しないんだ!っていうのが面白いんだよ。じゃないとボロ感も出ないし、アメ車感も出ないの。アメ車がドォーって安定してたら、なんかお前知らねえんじゃないの?って。アメリカ車の昔の良さが分かってないんじゃないのっと。今のいいアメリカの車を買うと、すぐにドォーって走っちゃう。ドイツ車かお前は!っていうね?ドイツ車か?って割には他の作りが良くねーなみたいな。キッチリしてねーじゃねーかよ。そこだけかよ、みたいなね。それがつまんないし。前も近年のマスタングにも乗ってたけどアレもインジェクションでワァーっと。湾岸だなんだでブワァーンって飛ばしても安定してるよ。安定してるし、ブワァーンっていって急ブレーキくれたってストールしないよ。この頃のキャブ車は、ブワァーンといって急に離そうなもんならストンッて止まっちゃうからね。急ブレーキなんて掛けようもんならガッと止まっちゃうからね。だから、そこが面白いわけだ。分かって乗るのがね。それは面倒臭くもなんともないよ、楽しい出来事。野球なんかでもみんなが夢中で観ているのはジャンケンなんかよりもゲーム性が多いからだよ。勝ち負けを決めるんだったらジャンケンが一番早いよ。その場でその瞬間に終わるんだから。野球で勝ち負けを決めるには3時間4時間掛かるわけじゃん。その間に、探り合いがあったり、フェイントがあったり、盗塁があったりとかいうのが全部含まれて、デッドボールがあって怒ったりとかが含まれてゲームじゃん。で、勝ち負けが決まるから盛り上がると。それと同じようにアメリカのクルマを勝ち負けだけでジャンケンシステムにしちゃうと、勝ったね負けたねにしちゃうと面白くもなんともない。みんな、それを嫌な目に合いたくないからラクして、ジャンケンみたいなクルマばかりになっちゃってるけど。それを面倒臭えーなーと。
だって考えたら野球だって面倒臭いじゃん。ユニホーム着なきゃいけない、スタジアムに行かなきゃいけない。練習しなきゃいけない。でもそれはその時の満足感とか、楽しいことに向かっていくことだからやるわけじゃない?そこが面白いんですよ。合う合わないもあるんだけどね、ボクはあっている。朝寒いときに火はいるのかな?そういうやりとり。クンクンクンクンッ……、あ、バッテリーが若干足らないのかしら?とかそういうのが面白い。
アメリカから来た状態で、足まわりはエアサスでした。コンテナから出てくるときは、さすがにクルマはぺちゃんこでしたが、エンジンを掛けたら、あっさり車高は元通り。とりあえず、エア漏れも無く、使える状態。

その4へつづく

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