ロードランナー完成記念ロングインタビュー
所さんにカスタムのイロハを聞いてみました(後編)
前編からの続き
カスタムの基本はご近所付き合い?
オーナーの生活感が鍵を握る


しかし、ここまで徹底したモディファイを施すのは相当久し振りじゃないですか?

そうだよね。昔のコルベットなんかも相当やったけどね。あれは確か90年辺りのコルベットのエンジン搭載して、パワステなんかも付けて、乗りやすかったなぁ。

もう25年くらい前の話になりますよね。

そうだね。

クルマをカスタムするという感覚って、当時と今は変化しているんですか?

同じ。全く同じだね。違うとすれば、僕の生活感ですね。30歳の時の生活感と、60過ぎてからの生活感の違いが現れているよね。

なるほどぉ。

あとね、カスタムとかする上で大切なことはさ、単純にお客さんで、お金で何でも解決するっていう間柄じゃないっていうかさ、近所付き合いみたいなね。醤油無くなったんでちょっとだけ貰えますかみたいなさ、季節の果物をやりとりするような付き合いっていうかさ。そういう付き合いがあるから、ロードランナーも出来るんじゃないかと思いますね。

大切ですよね。

そうなんですよ。本当に助かってますね。というかね、今の世の中、殺伐としすぎてるかもね。例えば、こうやってロードランナーにステンシルするのに、クルマを持ってきてもらうじゃないですか。そのたびに、「はい、キャリア一回でいくらですね」みたいな事言わないもの。

そうなんですか?

いや、もちろんオーダーしてから完成するまでの全体としてみたときに利益というモノを考えると思いますよ。でも、いちいちコレがいくらでなんてやってたら、こうはいかないもの。

そうですよね。

だから、フェラーリの営業マンと、仲良くはならない(笑)。

(笑)。

でも高井戸のシュテルンはエライね。気が利くもの(笑)。だから、付き合いも面白くなってますよ。

(笑)。しかし、所さんがお持ちのクルマで何もやってないって言う車輌ってないですよね?

うーん、無いかもね。最近のAMGなんかはサス変えたり、タイヤ変えたりホイール変えたり程度だけど。フェラーリだって、イジっちゃったし、何もしないっていうのは一台もないんじゃないの?

そうですよね。

でもね、こうじゃなきゃダメだいうルールもあるのよ。例えば、フェラーリ412を持ってた時代あったでしょ?

はい。