V8スワップのモンスターマシン
『トコロ板金』……。それは、1/18のダイキャストモデルのカスタムをメインに行うカスタムショップ。得意分野は、ローダウン、ウェザリング、そして、レーシングカーの製作。デスクの上の工場では、ドラッグレースに参戦するためのレースカーの製作が行われているのです。
いやはや、またスゴイ世界になってきましたね。
ヤルだろ、ワタシは(笑)。いろいろもうね、ここんところズーッとやってる訳なんですけどね、この1/18のダイキャスト。最初は汚しとか、シート破ったりとかそういうのだったじゃない。で、次は何かというと、ドラッグのレースカーですよ。これはアンタ、相当大変ですよ。
えっ、これ、ドラッグマシンのダイキャストじゃないんですか??
なにがよ?
こういうモノとして出来てるダイキャストということでは?
何を言ってるんだよ、作ったの。
作る?
このZは、もともと3000円くらいで売ってるデキの悪いダイキャストモデルなんだよ。
それをドラッグレーサーにってことは・……。
バラバラにして、エンジン移植して、ナロードデフにして、タイヤ組んでって、大変な作業なんですよ。ほら、これが作業中の写真ですよ。
えぇぇぇぇ!! まるっきり普通のZじゃないですか!!
当たり前だよ(笑)。そこからドラッグ仕様に作っていくわけですよ。
かぁぁ、ハンパじゃないですね、この作業は。
そうだよ。リアデフの受けを作って、そこにストロークするように脚廻りを組んで……。
構造そのものをワンオフするんですよね。
そもそも、脚廻りの構造自体が無いダイキャストの場合は作るし、ショックとかが付いてるやつは、それを加工してローダウンして、さらにストロークするようにバネを入れたりなんかしてやるわけですよ。だから、近所のホームセンターに行って、使えそうなバネ各種を手に入れてきてますからね。長いのや短いのや、柔らかいのや堅いのまで、あらゆる状況に対応できるようになってますよ、トコロ板金は。
トコロ板金!! ついに、新しい会社が始まったわけですね。
良いだろ、トコロ板金。良心的なカスタムからレースカーの製作まで、何でもやるからね、ウチは(笑)。
クオリティが半端じゃないですよね。
ウチはさ、クルマ屋さんとか、オートバイ屋さんとかが来るでしょ。そういう人々に『あっ、こんな所まで作り込んでる』って言わせたいんだよね。だから、接着剤でただ付けただけとか、脚廻りが心棒だけしか無くて動かないとか、そういうのじゃダメなんですよ。
なるほどぉ。
リアアシのコイルオーバーサスの構造とかも研究済みですからね。ちゃんと同じように作ってあるんですよ。構造的にも完璧。
フロントの脚廻りも完全に動くんですね。
当たり前だよ。こんなに車高を下げていても、ホイールの動きとステアリングはちゃんと連動しているし、ショックのバネも効いてるから、ストロークするしね。裏側から見ると、すごいだろ?
ロアアームの位置が変わって、タイロッドが上に行く分、オイルパンをカットして、動くように作ってるんですね。これって、レーシングカーと同じ仕組みということですよね。
バカだろ?(笑)
あれ、エンジンV8載ってますけど。
そーだよ、Zの直6じゃ、こんな太いタイヤ履けないでしょ? これだけのタイヤでレースするってことは、V8くらい載せてないとね。
元々は、見かけだけのパーツが付いてるだけですもんね。そこにエンジンコンパートメントごと移植するって、すごいですね。
もうね、載らないこと甚だしいよ。
そりゃそうですよね。
そこを、何とか載せますけどね、トコロ板金は。相当大変ですよ、この作業も。皆さんぜひやってみていただきたいですね、どんだけ大変か分かっていただけると思いますよ(笑)。