最近の人は手っ取り早いモノが好きでしょ? 手っ取り早く格好良くしたい。だから、そんなめんどくさいことはしないのかもしれないよね。
そうすると、カタログに載ってるようなものの領域を超えていくことはできないですよね。
それからね、カスタムをしていく上では想像力が重要ですね。
ですよね。
きっと多くの場合、すでにあるモノっていうか、目に見えるパーツとか、そのパーツを付けているクルマの写真とかを見てこうなるだろうなぁって想像すると思うんですよ。ウチの場合は違うんだな。無いものを含めて想像してるわけですよ。
とおっしゃいますと?
例えば、粘土を見て、クルマのカスタムを想像するみたいな。出来上がりの写真なんかはなるべく見たくない。想像できなくなってきちゃうから。
なるほどぉ。
例えばウチはオモチャが多いでしょ。ロードランナーをカスタムするって言ったら、ロードランナーのオモチャも増えてくる。で、そのオモチャをデスクの上で見ながら、想像するわけ。重ねてみたり、遠近で見てみたり、ひっくり返してみたり。で、頭の中でイメージするわけですよ。オモチャを眺めながらハードトップのクルマをオープンにしたところとか、ウインドウを全部外したシーンとか。
へぇぇぇ。
ですから、机の上に置いておくモノはとっても大切なんですよ。ロードランナー作って、同時にハーレーもやったりなんかしてると、 机の上に置くものも変わってくる。グロックみたいなシステマチックな銃を置いてみたり、最新の銃に古いグリップを付けたものが置いてあったり。そのとき作ってるロードランナーやハーレーと生活感が一緒になっているわけですよ。だからウチは常に同じデスクじゃないでしょ?
そうですよね。
時には全くなくして綺麗に整理してみたりとかさ。だから、今、また時計もいじりだしたもんね。
時計イジり復活ですか。
コレなんかもさ、古い時計のユニットを最新のモノにしているわけだから、ロードランナーにしていることと一緒だよね。70年代の時計に現代の心臓を入れるって、出来事としては同じだよね。
そう言われてみると・・・・・・。
格好いいクルマを作るには、いろいろなことをやってないとダメですよ。例えば、そこのリプトンのカンの上に、フェラーリが置いてあんじゃん。あれも、ああやって置いてみんと、フロントのタイヤの部分が凄く格好良くない?
格好いいですよね。
なんかさ、こっちへちょっとカーブしてくるかなぁ見たいな。ああいう感じ雰囲気を出すにはどうしたら良いんだろうとかさ。
いろいろな場所に想像のきっかけが隠されているわけですね。
そう言うことだと思いますよ。
ロードランナーカスタム その製作現場へ潜入取材 完
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